「ほうら、今日はクリスマスだからな!七面鳥を狩ってきたぞ」
「嘘だぁ、だってそいつは頭が2つしかないじゃないか」
私の手にある七面鳥を見て長男が不満げな声をもらす。
「ホントだ!しかも一つは目がないじゃないか」
次男が長男の言葉に同調する。
「やっぱり、七面鳥って言うぐらいだから、頭が七個ないとなぁ」
「なー」
頷きあう二人を見て私は答えに困ってしまう。
「いや、でも、こいつは羽が三枚もあるし、足なんて7どころか八本だぞ」
「ほんとだー、ほんとだーすごーい」
私の言い訳に長男と次男は納得いかないような顔をしていたが、三男は巨大な一つ目を輝かせた。
「な?しかも頭の一つはこれだけで五個分の大きさはある」
「うーん、仕方ないコイツを七面鳥と認めよう」
私の言葉に渋々といった顔で長男が頷くが、首がないためにお辞儀の様な格好になる。
「うん。肉も溶けずにしっかりしてるし、美味そうだ」
「うまそーうまそー」
次男が一本しかない足で器用に私に近づいてきて七面鳥らしきものを受け取る。
三男が眩しいくらいに眼を輝かせて涎を垂らしている。
どうしてこうなったのだろう。
あんなことが無ければ……
私は、人の業を呪い、神に祈った。
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